【読書】「人には人それぞれの長所がある」(山岡荘八「徳川家康 18」より)
山岡荘八作「徳川家康」(講談社文庫全26巻)の第18巻は「関ヶ原の巻」である。
この巻の主役は家康ともいえるし石田三成とも言える。個人的には、16巻から18巻までは徳川家康と石田三成のダブル主役と言っても良いと思う。
さて。第18巻の中に「石田草」という章がある。
この章では、関ヶ原の戦の直前の石田三成が心に抱いた不安と自省がよく書かれている。例えば、下の文章、この部分を読んで、読者はどう思うだろうか?
人には人それぞれの長所がある。それに目が届かず、他人の短所と自分の長所を見比べるところから相手への不信と卑しめを湧かせていたのだったら何うであろうか・・・。
↑自分も上記文章のようなところがあったかもしれないし、今もあるかもしれない。私自身を振り返ってみて、心が痛くなるような文である。
もっとも石田三成とは違い、自分には才能も地位もないわけであるが・・・。