◎『張栩の詰碁-難しい詰碁を簡単に』(マイコミ)
・300ページ弱の本の割には、問題の数は多くない。
・その代わり、解説や派生問題が充実している。
・コラムがたくさん(30くらい)。
・レベルは・・・ノーコメント。私にとっては「解くため」ではなくて「見て楽しむため」の問題ばかりである。
解けない問題が山盛りだけど、解説が多いので、読んでいて苦というわけではない。また、コラムがたくさんなので、コラムだけを読んでいても楽しい。詰碁と張栩について興味のある方は、買ってみられても良いと思う。
◎『三段突破の攻合』(誠文堂新光社)
『三段突破の~』というタイトルだが、『幽玄の間』で五段から七段を往復している私も時々読む本である。問題数は86である。
もちろん、私は「大体」この問題を解けるけど、それでも後半に入ると間違えることがある。一手目が見えても、その後の読みの確認が手間取ることもある。この手の本を定期的にさらさら読んでいくと、少なくとも技量劣化を防ぐことには役立ちそうだ。
◎大橋拓文『大橋流パワーアップ詰碁400』(マイナビ)
文庫本の大きさであるので、電車の中でも邪魔にならない。
碁盤の限られたスペースの中で、いろんな手、いろんな変化があるんだなあ、と感心させてくれる。
ただ、「こんなの実戦に出るのかなあ?」というような問題が多いような気がする。
あくまで「こんな手があるんだ」と感心するに留めておいた方が良いかも知れない。
今でも時々読む本である。構成は以下の通り。
第1部:村正の妖刀(p.12~p.66)
第2部:大斜で江戸を懐古する(p.68~p.136)
第3部:大ナダレの変遷(p.138~p.191)
個人的には、第1部が一番参考になった。第2部は、なんか、見たことのある形や定石が多い。著者の結城九段がp.68で以下のようにかいているとおりである。
(前略)新型が非常に少ないということに気づきました。大斜のさまざまな定石は、江戸時代に完成されていたのです。
第3部は非常に参考になる「はず」である。なぜ「はずである」かというと、内容が濃いので読むだけでも大変だったから。将来、自分の栄養になることを期待しよう。
改めて思うのだが、「村正」「大ナダレ」「大斜」を一冊の本にまとめるのは大変である。。いつの日か、各定石一つ一つで一冊の本を書いてもらいたい。
◎早わかりハメ手小事典(日本棋院)
数十年前に買った本であるが、今でも時々読むことがある。
第1章が星のハメ手、第2章が小目・高目・目外しのハメ手である。手頃な大きさ・厚さであり、内容的にもなかなか充実していて読みやすい。一冊持っていても良いのではなかろうか。