【囲碁】囲碁の本の紹介と感想(その2)『五段突破の詰碁100』『初段合格の死活150題』『侵略のテクニック』
◎『五段突破の詰碁100』(石田芳夫、土屋書店)
「詰碁100」となっているように、問題は100個。
第1章:30秒の詰碁(40題)
第2章:60秒の詰碁(30題)
第3章:180秒の詰碁(20題)
第4章:腕試しの詰碁(10題)
という構成からなっている。
個人的には、第1章から第3章までは、難易度はそんなに大きな違いはないと思う(多少あるけど)。「詰碁としてなら」全部とは言わなくても7割方解けるような気がする。もっとも、第4章は自分にはかなり難しい。自分にとっては観賞用である。
先の段落で「詰碁としてなら」と書いたが、実戦でこれらの詰碁の形が出てきても、恐らくあんまり解けないと思う。むしろ、初段向け、級位向けレベルの詰碁をしっかりやった方が『幽玄の間』では大事だと思う。
もちろん、『五段向けの・・・』の詰碁集に意味がないわけではない。「5段ならこれくらいは解いてくださいね」と言う気持で石田先生はこの本を書いたのだと想像する。
石田九段も、指導碁は山ほど打っているはずなので、碁会所5段・6段のレベルはとくとご承知のはず。「5段のくせになんでこんな死活もわからないの・・・」と思いながら詰碁集を作ったのかも知れない。
「初段合格」となっているが、実際はそれ以上のレベルの問題も含まれているような気がする。『幽玄の間』で私は6段で打っていたが、その自分でも解くのに手間取った問題が結構ある。書くのも恥ずかしいことだが、間違えたこともある。
だから、アマチュア低段者の方でこの問題集の詰碁が解けないことがあっても、あんまり落ち込むことはないと思う。自分の設定した時間内に解けなければ、遠慮なく答えを見てみればいい。「ああ、こういう手筋があるのか」と思うだけでも立派な勉強になる。
各問題についている「○分で×段」というのはあんまり気にしない方が良いと思う(結構難しいので)。
いろんな手筋が紹介されていて、問題が解けないときでも読んでいて面白い本だった。読んでみても分からないときは、実際に並べてみても良い。「ああ、こういう筋があるんだ」と思えるだけでも、結構な勉強になると思う。