『ロスト失踪者たち』(押川雲太朗著、近代麻雀コミック)という作品が好きである。
時代は現代。場所は東京のフリー雀荘。
訳ありで家族と故郷を捨てて東京のフリー雀荘のメンバーとして働くことになった主人公の物語である。
7話完結の作品である。
繰り返すが、この作品がとても好きだ(押川雲太朗の作品が好きだからというものある)。
今は打たないが、昔、私も麻雀が好きだったからかもしれない。
今回は第4話の「落とし穴」を紹介する。
池内という客がいる。職業は新聞記者。麻雀はかなり強いようだ。
仕事の合間に麻雀を打ちに来る。
あるとき沖縄への出張までのひとときの麻雀のつもりが、負けが込んできて止められなくなった。
そして結果は、「大負け」+「仕事のさぼり」である。
自分の金だけでなくて、負け分を払うために他人の金まで使ってしまった。
彼はどうなるのかはわからない。
ここで主人公は言う。
「ここ(フリー雀荘)は竜宮城のような場所だ」
「楽しく遊んだ後には現実が待っている」
「池内が現実に戻るためには、封筒の金と仕事の穴を埋めなければならない」
「それができなければ失踪者にでもなればいい」
「たいした事じゃない。」
「住む場所をかえるだけだ」
ネットの囲碁に熱中した後だと、上の言葉が胸にしみる。
幸いなことに、ネット囲碁は時間は食うけどお金は賭けていないわけだが・・・