『秘密』(東野圭吾作、文春文庫)を読んだ。
・妻と娘がバス事故にあう。
・妻は死亡、娘は生き残る。
・しかし娘には妻の魂が宿り、「肉体は娘だけど自我は妻」の状態になる。
・生き返った娘に最初は喜ぶ主人公だが、娘の成長とともに、嫉妬、とまどい、怒り、自分の老いに対する絶望に悩まされるようになる。
・事故を起こしたバスの運転手の謎や彼の家族の話もあるが、話の本線は夫と「妻の魂をもった娘」の関係性についてである。
・ミステリーというよりは、老いが見え始める中年男の心の揺れを描いた小説だと思った。
・二周目の人生は強い。