令和に囲碁と将棋を語る

奈良県在住。囲碁はパンダネットや幽玄で6段、野狐で5段、将棋はぴよ将棋で1級程度です。

【野球】【囲碁】【将棋】最近の出来事(5月28日付)

 囲碁

本因坊戦第2局(井山vs虎丸、井山黒番)は2日目午前中に井山がまさかの投了。上辺のしかけが強引だったのか。こんなに早い投了は、前例がないことはないが、珍しい部類に入るだろう。

 

【将棋】

王位戦の挑戦者決定戦は豊島が羽生を破って挑戦権を得た。これで藤井vs豊島の七番勝負になった。豊島が強いのは言うまでもないが、50歳を過ぎた羽生も挑戦者争いに絡むポジションにいたことに少しびっくりした。

 

【野球】

5月27日の阪神vsロッテの試合で佐々木投手が先発のマウンドに立った。5回4失点だったが、6回表に味方打線が点を取ってくれたので彼が勝ち投手になった。なんというか、実力だけでなく良い運命を持っている人なのかもしれない。

阪神先発のアルカンタラは、5回まではまあまあだったが6回になって撃ち込まれた。前の巨人戦と似たような展開である。今後は5回限定の先発投手として使用したほうが良いのかもしれない。

昨日の試合をざっくり見たい人は下の動画をどうぞ。(ABCテレビ公式)

 

www.youtube.com

 

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【読書】アシモフ「ナンバー計画」

SFの大家・アシモフの短編の中に『ナンバー計画』という作品がある。短編集『停滞空間 』(ハヤカワ文庫 SF 357)に収められている。最近再読してみたので、ちょっと紹介したい。

時は未来。何でもコンピューターがしてくれる便利な時代なのだが、技術が進みすぎて、かけ算や割り算さえコンピューターがしてくれる。

つまり四則演算を人類がちゃんとできない社会である。

あるとき。平凡な一介の技術者が紙の上で計算する技術を『発見』する。

それを知った上司がその『技術』を開発・発展させるプロジェクトを『ナンバー計画』と名付け、援助を求めて高官と掛けあい・・・というストーリーである。

技術が進みすぎて、四則演算さえおぼつかなくなった人類を風刺した作品、と昔は思っていた。

しかし再読すると、別の面で興味深いものがあった。『ナンバー計画』を説明する推進者に対し、大統領が次のように言った。

「客を相手の隠し芸には面白かろうが、他に何の役に立つと言うんだね?」


・・・何か、現代の某国の議員さんを思い出してしまった。

上のようにおっしゃる大統領に対し、プロジェクトの推進者はこう言ったのだ。

 

「生まれたての赤ん坊が何の役に立ちますか、大統領?
いまのところ、こいつは何の訳にも立ちますまいが・・・(以下略)」


結局、この大統領はこの計画推進を承認し、援助を与えることを約束した、という話である。

上の話を読んでいると、いつぞやの民主党政権の仕分け作業を思い出してしまった。

まあ、個人個人でばらつきもありそうだし。

私はただ、「今は役に立たなくても、各々の技術や学問は将来役に立ち得る。その目を摘み取ってはならない」と思うだけである。