『モーパッサン短編集 (1)』 (新潮文庫 )の中に、「幸福」という短篇がある。
場所は19世紀のコルシカ島。この島を訪れたフランスの老婦人が島の片田舎でかつての顔見知りの老婦人に出会う。彼女は金持ちの家のご令嬢だったのだが、数十年前にとある兵士と仲良くなり駆け落ちし、コルシカのこの地に住み着いたのである・・・。
というお話である。この小説のどこが良いのかと言われると説明に困るのだが、ついつい再読してしまうのである。
そしてこの短篇を読む度に、森鴎外の短篇「じいさんばあさん」を思いだしてしまうのである。