2021年の12月15日付で、大竹英雄九段が引退した。
多くのタイトルを獲得しているが、名人戦、十段戦、碁聖戦で特に活躍した人物である。
若いころから林海峰と共にその才能と実力が注目された。
大竹の全盛期は、名人戦に出まくった昭和50年代前半であろうか。
個人的には、平成初期、大竹が50歳前後のときが一番印象に残っている。
棋聖戦と名人戦、そして十段戦で全盛期の小林光一と番勝負を繰り広げた。
棋聖戦と名人戦では小林に勝てなかったが、十段戦では3-2で小林に勝って十段のタイトルを手にした。
この時期の大竹が、自分にとって一番心に残っているのは、私が一番囲碁に熱心だったのがその時期であったからである。
しかし、理由はそれだけではない。
平成初期の大竹が番勝負を戦っていたのは彼が50歳前後の時であった。
昔はそれほど意識しなかったが、私が50歳を超えてしまうと、改めて大竹のすごさを再認識した。
五十路にして、その世界のトップで戦うことがいかに困難ですごいことか。
大竹はすごかった。
(参考記事)