中国にとどまらず、そしてアジアにとどまらず、ヨーロッパや中東その他の地域にも広まり続けるコロナウィルス。
イタリアにおいては(日本時間3月5日朝の時点で)死者が100人を超えてしまった。日本はそこまで多くはないはずである。
今回は、イタリアの新聞『イル・ガッゼッティーノ』の記事
を少し見てみたい(2020年3月4日水曜日付、イタリア時間)。
それによると、上記記事作成時点で、「イタリア国内の感染者の総数:3089人」となっている。
上記3089人の内訳は
コロナウィルス感染者:2706人
死者:107人
コロナウィルスに感染した後に治療回復した者:276人
↑となっている。2706+107+276で、合計3089人となる。
日本での死者はまだ2桁なので、イタリアでの死者及び(おそらくは死亡率)はかなり多いような気がする。
ざっくりいうと、30人が感染するごとに1人死ぬ、といったところか。
では、今までイタリア国内においてコロナウィルスの感染検査を受けた人数はというと・・・
29,837人(二万九千八百三十七人)となっている。
上記数字を単純に見ると「3万人検査→3千人が感染→100人が死亡」ということになる。つまり
「3万人検査のうち、100人が死亡→→300人に一人が死亡」
と読めなくもない。まあ、実際はまた違うのだろうが。
300人に一人が死亡ということは、イタリアの人口は6000万人くらいだから・・・
最悪の最悪の場合、6000万人÷300=20万人の死亡者?
・・・いや、まさかこんなことにはならないと思う・・・たぶん。
しかし、イタリア全土にウィルスが広がると、20万人は大げさとしても数千人から1万人の死者が出る惨事は、「まあ、起こらないと思うけどひょっとしたら・・・」くらいの可能性はありそうだ。イタリア国内がえらいことになっているわけである。
私個人としては、「感染者の人数よりも重視すべきは重篤患者及び死亡者数である」と思っている。感染者の人数は、検査数及び検査方法そして検査の正確度合によって上下するので、私はそこそこにしか気にしていない。
繰り返すが、私が気にするのは「コロナウィルスの死亡者数と重篤患者数」である。
イタリアの場合、上記記事中の数字は
「死者数:107人」
「重篤患者(集中治療室に搬送された人):295人」
となっている。
上記死者数107人の発生地域は北部に偏っている。
ロンバルディア州:73人
エミリア・ロマーニャ州:22人
ヴェネト州:6人
マルケ州:4人
リグリア州:1人
プーリア州:1人
恐らくは、北部の工場で働いていたり、チャイナタウンで生活している中国人が関係しているのではないかと想像するが、実際のところは私にはわからない。
出来るならば悪い予想はしたくないのだが、イタリアでのコロナウィルスの死亡者は今後もかなり増えるのではないかと思う。万単位にはならないにしても、1千人超えの死者が出てもおかしくないと思う。
3月は日本の大学生にとっては旅行シーズンだと思う。イタリアに行きたい人もたくさんいるだろうが、よく考えて行動してほしい。行きたければ行っても良いと思うが、イタリアで体調が悪くなった場合(コロナウィルスに限らず、他の病気やケガを含む)、イタリアの多くの医療機関は多忙を極めていることが予想される。旅行前の体調管理及び常備薬などの準備、そしてイタリア及び欧州に関する情報収集を怠らないことが必要であろう。