イタリアの新聞「メッサッジェーロ」サイトから、3月15日17時時点での被害状況を紹介する。
1.死者数について
↓死者の人数は以下のとおりである。
↑ついに、死者2000人越えが確実視されるようになってしまった。
それにしても、死者数の偏りがひどい。約1800人の死者のうちの1200人がロンバルディア州である。およそ3分の2である。
イタリアの人口が約6,000万人、ロンバルディア州の人口は約1,000万人である。(ちなみに死者数2位のエミリア・ロマーニャ州の人口は約400万人余り)。
つまり、6分の1の人口を占めるロンバルディア州が、死者合計の3分の2を占めるということである。そしてロンバルディア州だけでなく、死者の圧倒的大多数は北部である。これはどういうことなんだろうか?
「イタリアへの中国人観光客の増大」(2019年にイタリアを訪れた中国人観光客は約600万人。これは2018年度と比べても100万人の増加)
「イタリア国内の中国人移民の増大」(イタリア全土で約40万人。これはイタリアの人口6000万人の6~7%に相当する)
「ミラノを含むロンバルディア州は、観光・商業の中心なので、人の流れが多い」
「ミラノのマルペンサ空港から多くの外国人がイタリアに入ってくる」
「イタリアの中でも北部は比較的寒いので、被害が広がりやすいのかもしれない」
・・・などなど、いろいろ考えられる。
ともかく、日本国内の死者数(20~30人か?)と比べると多すぎるのは間違いない。
2.感染者数(24,747人)の読み方。
引用記事によると、イタリア国内での感染者数は「24,747(二万四千七百四十七人)ということである。
そのうちわけは以下のとおりである。(2020年3月15日17時現在)
考えてみれば当然なのであるが、感染者全員が入院というわけではない。4割弱の感染者は自宅療養となっている。
また、感染者の中には治癒して退院した人も含まれている。10%弱の人は治ってめでたく退院である。
そして死亡者が感染者の7.3パーセントというのは・・・だいぶ怖い。
あと、集中治療室入りした患者が1600人以上ということを考えると、イタリアにおける死者数が3000人を超えるのはほぼ間違いないのではないかと、個人的には思う。5000人は超えないでほしいのだが…。
私個人としては、「感染者の人数よりも重視すべきは重篤患者及び死亡者数である」と思っている。感染者の人数は、検査数及び検査方法そして検査の正確度合によって上下するので、私はそこそこにしか気にしていない。
繰り返すが、私が気にするのは「コロナウィルスの死亡者数と重篤患者数」である。
日本政府の対応がベストであったのかどうかは別として、他の国と比べて死者数が顕著に少ないのは、素直に喜んでよいのではないかと思う。
イタリアの未来はイタリア人が決めることだから、私がとやかく注文をしたくはない。ただ、
「死者の増加を鈍化させること」
「重篤患者の増加を鈍化させること」
「医療資産(人材、施設、設備、薬、技術などなど)は重篤患者に優先して振り向けること」
が好ましいやり方ではないかと、私自身としては思っている。
またいつの日か、イタリアを訪れる日が来ることを願っている。
(付記)
記事中の死者に関する表で、記載されていない州が2つあった。
「バジリカータ州」と「モリーゼ州」で、この2つは(現時点では)死者は出ていない。いずれも南部の州である。