東野圭吾作の短編集「犯人のいない殺人の夜」(光文社文庫)を久しぶりに読んだ。
7つある短編のうち、今回は4つの短編の感想を軽く書く。
「小さな故意の物語」
高校生・達也の死と彼を含む三角関係を描いた、ちょっとだけ甘くて苦い物語。
結末は予期できるものだったが、動機が少し印象的だった。
「闇の中の二人」
タイトル中の「二人」が誰なのかがポイントである。
警察に連行された二人はどうなったのだろうか。
真実を警察に話すのだろうか。
そしてこの二人はどんな判決を受けるんだろう。
「踊り子」
初めて読んだ時と同じく、この話が短編集の中で一番好きである。
踊り子が亡くなった真相も印象的である。
しかしそれ以上に、毎週水曜日の夜に体育館で踊る少女の心の中を想像すると、何とも言えない気持ちになる。
この「踊り子」みたいな若者は、今現在、日本のあちこちにいるんだろう。
「エンドレス・ナイト」
結末はそれほど予想外ではなかった。
ただ、刑事の番場さんが良い味を出していた。
私が逮捕されることがあったら、こういう人の取り調べを受けてみたい。
そして話を聞いてもらいたい。