令和に囲碁と将棋を語る

奈良県在住。囲碁はパンダネットや幽玄で6段、野狐で5段、将棋はぴよ将棋で1級程度です。

囲碁

【囲碁】坂田栄男からみた昭和の各棋士たち(その3) 藤沢(秀)、山部、梶原

勝つ―碁と根性 (1965年)という書物がある。昭和のタイトル王・坂田栄男の著書である。その中に、坂田からみた各棋士の印象が書かれているので、数回にわたって紹介しようと思う。 今回は、藤沢秀行、山部俊郎、梶原武雄についての坂田の感想を紹介する。3人…

【囲碁】藤沢秀行のこと

この前久し振りに大阪某所の囲碁の集まりに行ってきた。3カ月ぶりだろうか。あるときは仕事のために欠席、あるときは体調不良(主にひざ痛)のために欠席続きだった。 久し振りに出席して、軽く1,2局打ってあとはおしゃべりである。そのときに、藤沢秀行名…

【囲碁】坂田栄男からみた昭和の各棋士たち(その2) 高川、藤沢(朋)

勝つ―碁と根性 (1965年) という書物がある。昭和のタイトル王・坂田栄男の著書である。その中に、坂田からみた各棋士の印象が書かれているので、数回にわたって紹介しようと思う。 今回は、高川格と藤沢朋斎についての坂田の感想を紹介する。2人とも、坂田と…

【囲碁】坂田栄男からみた昭和の各棋士たち(その1)

勝つ―碁と根性 (1965年) という書物がある。昭和のタイトル王・坂田栄男の著書である。その中に、坂田からみた各棋士の印象が書かれているので、数回にわたって紹介しようと思う。 【注意】この本の発行年は「1965年(昭和40年)7月1日」である。つまり、坂…

【囲碁】坂田栄男と林海峰の番勝負

坂田栄男と林海峰の番勝負の結果をまとめてみた。 旧・名人戦で3回、本因坊戦で3回、王座戦2回の、合計8度の戦いである。 多いと言うべきか少ないと言うべきか。 年齢の差(坂田が20歳以上年上)であることと、坂田の全盛期には棋聖戦がなかったことを考える…

【囲碁】『囲碁有段シリーズ 置碁-白の作戦』(解説・藤沢秀行 編集・相場一宏)

家にある囲碁の本を紹介する。『囲碁有段シリーズ 置碁-白の作戦』(解説・藤沢秀行 編集・相場一宏)は、置き碁の本としてかなり充実した内容だと思う。 この本は3章からなっている。 第1章は江戸時代の置き碁を2局(道策の4子局と道知の3子局)。 第…

【囲碁】趙治勲の伝説「麻酔なしで手術」の真実

『お悩み天国〈2〉治勲の爆笑人生相談室』(日本棋院)を買って読んでみた。その中で一番面白かったのは102~105ページのコラムである。趙治勲のエピソードのひとつに 「交通事故にあって手術するときに麻酔を拒否して手術を受けた」 というものがある。 し…

【囲碁】手筋と詰碁 超基本(やさしい囲碁トレーニング)高尾紳路・著

『手筋と詰碁 超基本(やさしい囲碁トレーニング)』(高尾紳路・監修)を購入した。私の勉強のためではなく、知り合いの初心者のためある。 第1章 石の連絡(レベル1~レベル3)第2章 手筋(レベル1~レベル4)第3章 形(レベル1~レベル3)第4章 詰碁…

【囲碁】名人戦は虎丸が4勝1敗で名人を奪取。張栩は名人防衛できず。

10月7日・8日の対局で虎丸が白番中押勝ちを収め、通算4勝1敗で名人位を獲得した。 19歳での名人奪取は日本囲碁史上初めてだと思う。すごいなあ。 第5局の動画はこちら(YUTUBE 日本棋院囲碁チャンネル) ↑上の動画を見る限り(この動画の最後の数分で総括が…

【囲碁】亀の甲の威力は?

↓下の盤面をご覧いただきたい。白が左辺△と構えた場面である。あげはまは「黒2、白1」である。 私の古い頭だと、「左下黒の亀の甲60目が大きいので黒が有望か」と思う。 しかし、AIによると白が有望らしい(引用元:安斎著、『誰でも使える囲碁AI流作戦』…

【囲碁】『アマ必勝の新作戦 囲碁・奇襲事典』(マイナビ・後藤俊午&山本賢太郎共著)

今回は囲碁の本の紹介である。『アマ必勝の新作戦 囲碁・奇襲事典』(マイナビ・後藤俊午&山本賢太郎共著)を少しばかり紹介する。 第1章「うわてが採用してはいけない戦法」 第2章「堂々と王道を行く手段」 第3章「奇襲戦法」 ↑このように、3章から構成さ…

【囲碁】名人戦第3局は虎丸が中押勝ち。これで虎丸の2勝1敗。

2019年9月17日・18日に岐阜県で行われた名人戦第3局は、虎丸挑戦者が白番中押勝ちを収めた。 私は2日目の夕方から見ていたが、最後は張栩がコウで粘ったのだが、力及ばず投了したようである。 これで虎丸の2勝、張栩の1勝となった。 張栩は好きな棋士なので…

【囲碁と将棋】タイトル戦の番勝負に和服は必要か。

囲碁も将棋も日本国内では伝統的なボードゲームであるが、タイトル戦における服装は異なる。 将棋のタイトル戦は和服着用が原則で、囲碁の方は和服着用でなくてもかまわない。最近の囲碁のトップ棋士で和服着用の人は非常に少ないと思う。 囲碁のタイトル戦…

【囲碁】「原爆の対局」についての橋本宇太郎の証言

「原爆の対局」は、1945年8月4日・5日・6日に広島県五日市町(広島市の隣の町、現在は広島市佐伯区)で行われた第3期本因坊戦第2局(橋本宇太郎vs岩本薫、橋本白番五目勝ち)のことである。 私の手元に『囲碁一期一会 橋本宇太郎』(なにわ塾叢書)という書…

【囲碁】本因坊秀哉のエピソード:明治時代の棋士は大変だった

本因坊秀哉(ほんいんぼうしゅうさい)という棋士がいた。 1874年(明治7年)生まれの1940年(昭和15年)死去となっている。 大正時代から昭和10年代までの第一人者であった。 その秀哉先生も、若い頃は経済的に恵まれない時期があった。 秀哉先生の父は内務…

【囲碁】坂口安吾「呉清源観戦記」

『定本坂口安吾全集〈第7巻〉 (1967年)』の中に、「呉清源観戦記」というのがある。元々は『読売新聞』昭和23年7月8日付に掲載されたものらしい。印象に残った事をいくつか記しておきたい。 1:璽光尊(じこうそん)のこと 呉清源だけでなく、あの大横…

【囲碁】小岸壮二(こぎしそうじ)のこと

小岸壮二(こぎし そうじ)という囲碁棋士をご存じだろうか?明治・大正の囲碁史に興味のある方は、この棋士の名前を知っているかもしれない。 本因坊秀哉(ほんいんぼうしゅうさい)の愛弟子で、彼の弟子の中では最強と伝えられ、小岸が若死に(1898年生ま…

【囲碁】上野愛咲美が竜星戦ベスト4に進出。全棋士参加棋戦では史上初。

上野愛咲美女流棋聖が第28期竜星戦で準決勝まで進んだ。女流棋士が全棋士参加棋戦でベスト4まで進むのは、日本の囲碁界では初めてのようだ。 関連記事(朝日新聞)はこちらをクリック 上野の快進撃は以下の通り。 ◎本戦(Dブロック) vs伊藤優詩4段 勝利 v…